東北の民俗芸能復興を応援する活動のリンク

2011年12月15日

花の御湯

十津川村の折立の橋が復旧し168号線を本宮から五條まで抜けられるようになり、久々に、大和路・奈良市へ。明治以来の災害を乗り越えて、また大和路へ行けるのが嬉しいです。
「春日若宮おん祭り」の始めに斎行される、大宿所祭の「御湯立(みゆたて)の式」を拝見しました。

江戸時代の日光社参詣曼陀羅図(この日光社は護摩壇山西北)で巫女さんが鈴を持って湯立釜のそばにいる姿が描かれていますが、そういう昔ながらの湯立を拝見したく思っていました。
湯立は12月15日午後2時半、午後4時半、午後6時の3回。猿沢池近くの餅飯殿(もちいどの)通り商店街の途中に、大宿所はあります。
「♪尾ーのーあーるー鳥ーとー 尾ーのーなーいー鳥ーとー…♪」
餅飯殿(もちいどの)通りを歩いていたら、おん祭りの懸物(かけもの。捧げ物)にちなむわらべうたが流れていました。尾のない鳥とは、兎のこと。肉食が許されない中で兎だけは鳥として食べても良かったので一羽、二羽、と数えていたそうです。

http://www.kasugataisha.or.jp/onmatsuri/pop/pop_osyuku.html


さて、大宿所へ。御湯立をなさるのは、ベテラン湯立巫女さん。「そねったん」とも言うそうです。初回からたいへん混雑し、1度目はほぼ見えませんでしたが2回目でやっと拝見でき、湯立巫女さんの優しく語りかけるような祝詞奏上に、心穏やかになりました。

miyutate1.jpg

「…南は蔵王権現様の、花の御湯(おんみゆ)なーり!さよーうさ、さよーうさ、さよーうさ…」

と、唱えながら湯立巫女さんが笹の葉で湯釜の御湯を振りまきます。さよーうさ、は神道の作法の「左右左」のことだと思われます。
花の御湯、という言葉で奥三河「花祭り」の湯立を連想しましたが、湯立の枕詞として「花」という言葉が昔からあったのでしょうか。

巫女さんが腰に巻いている縄は「サンバイコ」といい安産祈願のお守りとして、このお祭りの時に授与されるのだそうです。身近なオメデタさんへのお土産に。巫女さんの鈴には昭和33年に奉納された銘がありました。先祖代々、受け継がれている湯立なのだそうです。

5時からも巫女神楽等の神事が斎行され、おん祭りの中心神事は18日まで続きます。
今回は300年ぶりの別願(べちがん。特別な祈願)として、東日本大震災と紀伊半島大水害の復興祈願に舞楽「甘州」「敷手」が奉納されたとのことで、おん祭りで紀伊半島の復興も願われたことに感慨深く思いました。願いが天に、届きますように。
私は15日の行事のみ拝見しましたが、次にうかがう時は舞楽も拝見したいです。

ooshukusho.jpg

☆フォト蔵に「御湯立式(みゆたてしき)」スライドショーUPしています。
http://photozou.jp/photo/slideshow/1883126/5739012
posted by そま@み熊野ねっと at 23:17 |

2011年11月27日

こだま祭と太鼓踊り

11月27日(日)和歌山県田辺市本宮町でイベント「第27回こだま祭」が開催され、熊野本宮伝統芸能教室と大瀬地区出身の保存会の方々による「大瀬の太鼓踊り」(県指定・国選択無形民俗文化財)も復活し、出演を果たす事ができました。

kodama23-1.jpg

9月の台風12号で浸水被害にあった太鼓も修理から帰ってきて、再び演奏できた時は本当に嬉しくて仕方なかったです。衣装や道具、いろいろなものを修復したり新調したりして準備してきた甲斐がありました。
熊野本宮伝統芸能子供教室の子供達も「平治川の長刀踊り」で出演(県指定無形民俗文化財)。

kodama23-2.jpg

みんな、頑張りました。私が洗って修復した長刀も一部あり、本番に使える状態にできてよかった。長刀踊りも太鼓踊りも保存会の音頭取りさんの生歌なのがとても嬉しいです。

今回のイベントはYahoo!ニュースにもなりました。
「被災後の町に活気 こだま祭にぎわう」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111128-00000008-agara-l30

台風被災後いろいろな方に現状を気にかけていただき、有難うございます。
「ふるさと岩手の芸能とくらし研究会」様からは御見舞いをいただきました。
blogとりら記事「田辺市本宮町へ」
http://torira.exblog.jp/16537529/
東北の皆様も大変な時にこちらにもお気遣い頂き、感謝で一杯です。本当に有難うございました。おかげさまで熊野も復興に向かっています。被災地の生活の基盤が築かれ、東北も熊野もお互いの土地の伝承と芸能が受け継がれますよう、願っています。

※まだお読みでない方は、ぜひお読みください。↓※

2012年3月まで受付中:岩手三陸沿岸の民俗芸能応援募金
「とりら募金」

http://torira.exblog.jp/16022642/
posted by そま@み熊野ねっと at 23:57 | 伝統芸能

2011年09月15日

台風12号後の熊野本宮

9月初旬の台風12号の影響により、しばらくネットが使えなかったのですが本日復旧致しました。お気遣いいただいた皆様、有難うございました。我が家は無事です。

98367554_org.v1316092221.jpg
9/12、大斎原の様子。

熊野本宮の台風被害について、み熊野ねっとにUPしています。
http://www.mikumano.net/nikki/taifu120904.html
http://www.mikumano.net/nikki/taifu120903.html
http://www.mikumano.net/nikki/taifu12.html
熊野三山の中では那智山が一番被害が大きかったことと思います。
紀伊半島の皆様の生活基盤が1日も早く復旧できますよう、願っています。
posted by そま@み熊野ねっと at 23:57 | 日記

2011年07月09日

昭和の佐渡の思い出

佐渡の携帯動画投稿サイト「佐渡ワンダー動画」に久々に投稿させていただきました。今年の3月に帰省した時、実家でみつけた昭和38年(1963年)8月の佐渡の写真です(動画は15秒)。※動画サイトは終了したようです。
元の写真が見やすいように、動画中の写真のうち4枚ほど載せておきます。

sado-s.38-2.jpg

早朝の佐渡の浜。

今から約半世紀前なのでまだ自分自身の影も形もない頃の写真ですが、祖母の郷里に家族が旅した時のものです。スライドショーにして携帯で撮りました。

sado-s.38-3.jpg

ドンデン山。

sado-s.38-4.jpg

両津港を出る「ゆめじ丸」。

写真横の字は祖父の字です。昔の佐渡は「詩と絵の島」だったんですね。

sado-s.38-1.jpg

尖閣湾遊覧記念切符。


私は期せずして昨年(この写真の47年後)同じ8月に新潟港から両津港へ向けて佐渡に渡ったわけですが、その時の記事はこちら。佐渡、また行きたいなあ。
タグ:佐渡 昭和
posted by そま@み熊野ねっと at 13:18 | 日記

2011年07月05日

本宮祭のお神楽

Twitterの"獅子舞フォーラム"というコミュと"民俗芸能STREAM"のメンバーでいらっしゃるkmauiupopoさんの「カムイのブログ」から、平成23年度本宮大社例大祭の動画と画像をいただきました。有難うございます。
http://blogs.yahoo.co.jp/kamuiupopo/9848349.html
画像は今年の例大祭の記事に転載させていただきました。



御田植神事。画像提供 kmauiupopoさん

例大祭のお神楽は八撥(やさばき)、神歌(かみうた)、大和舞(やまとまい)、巫女舞(みこまい)、御田植(おたうえ)がありますが、神歌以外の動画1分前後の映像を転載させていただきます。例大祭は4月13日〜15日の3日間ですが、お神楽奉奏は4月13日と15日のみです。神歌と大和舞の歌詞はみ熊野ねっとのページをご参照下さい。

---------------------------------------------------------------------------------

4月13日

湯登神事のお神楽(湯登神事の渡御は午前9時30分頃本殿出発、湯峰へ移動)
八撥(氏子総代の掛け声・太鼓、伶人の笛による曲。午後1時頃湯峰王子、その後、月見岡神社にて奉奏。主に田辺市内の3歳前後の地元児童が務めます。)
神歌(氏子総代の歌・太鼓による曲。本殿から真名井社近くまで。)

●宮渡神事のお神楽(夕刻5時頃から)
八撥(拝殿、大斎原、真名井社にて)
神歌(本殿〜大斎原〜真名井社の渡御の間)

4月15日

●本殿祭のお神楽

本殿祭は朝8時から。新作神楽「熊野」(熊野古道をイメージした曲。篠笛、箏、ギター、地元児童の合唱、神職1人による舞)、「祈り」(水の循環・変容をイメージした曲。篠笛、箏、ギター、巫女2人の舞)。2曲のうち1曲の舞が奉納されます(生演奏でない日もあります)。

●渡御祭のお神楽

神歌(午後1時頃から、渡御の間。)



渡御のお神楽

渡御の間、神歌と交互に修験者による法螺貝、雅楽伶人による越天楽奉奏などがあります。



真名井社での八撥


八撥神事(本殿前、真名井社、大斎原、還御後また本殿前にて奉奏)

●斎庭神事のお神楽



大和舞

大斎原の石祠横に設けられた祭祀場で地元中学生男子4名による舞、氏子総代による歌・太鼓、伶人による龍笛にて奉奏されます。



巫女舞

大和舞に続き同じ場所で地元中学生女子4名による舞、氏子総代による歌・太鼓、伶人による龍笛にて奉奏されます。



御田植神事


巫女舞に続き同じ場所で神職の導きにより地元小学生男女による田植を模した所作(小学校低学年男子が苗籠、えぶり、鋤を持ち、小学校低学年女子が苗にみたてた榊を持つ早乙女になります)氏子青年会員による歌、伶人による太鼓、龍笛にて奉奏されます。

御田植神事の後は同じ場所でまた八撥神事があり、本殿に還御します。

●還御祭

大斎原から本殿に還御して最後の八撥(年によって違いますが夕方4時か5時ぐらいまで)。
湯登神事から何度も繰り返した八撥が、この時に最も長く行われます。現在の御本殿は第一〜四殿までですが、最後の八撥は第一殿、第一殿と二殿の間、二殿、三殿、四殿、最後にまた第二殿の順に、計6回行います。第一・二殿において計4回八撥が行われることになり、これは熊野夫須美神、事解之男命、速玉大神、伊弉諾尊、という元々の御祭神に合わせての事になります。

---------------------------------------------------------------------------------

付記

昭和の本宮祭について
http://mikumanosoma.seesaa.net/article/206702926.html
明治期の本宮祭について(記事後半)
http://www.mikumano.net/photo/hongu23/index.html
posted by そま@み熊野ねっと at 21:43 | 御神楽